ここで掲載しているものは、厚生労働省が配布しているモデル就業規則とそれらの解説です。

 率直に言って、本サイトを訪れた方、休職中の従業員の方や、休職中の従業員がいる事業所の人事労務担当の方で、まさに、復職か退職かを悩んでいる方には、モデル就業規則は参考になりません。私傷病の休業及び復職の規定例を参考にしてください。

『モデル就業規則では、会社を守ることはできない。会社を守る就業規則が必要。』と、多くの社会保険労務士は言いますが、それは、あくまでも、従業員に周知し、その規則通り運用している場合の話です。

 周知が不十分で、つくりっぱなしの就業規則では、どんなに中身が会社を守るために都合が良くても、ほとんど効果はありません。

 なお、社会保険労務士に、『会社を守る就業規則』を策定してもらう場合でも、役所が配布しているモデル就業規則には、目を通しておいた方が良いでしょう。モデル就業規則には、労働基準法と役所の考え方が反映されています。何か事が起こった際に、どのようなことが問題視されるのかは、モデル就業規則を読むと、ある程度は察しがつきます。

 そして、『会社を守る就業規則』と『モデル就業規則』の差異が、どのようなものなのか、それは、実際の運用ではどうなるのか、どの程度の効果があるのか、これらについて、十分な説明を受けながら策定するのが、もっとも賢明な策定の仕方です。

 『会社を守る就業規則』を社会保険労務士に丸投げで策定してもらい、実際は、異なる運用をしておれば、『モデル就業規則』と大差が無いどころか、労働基準法や役所の考え方を予想することもできず、一番、最悪な結果をもたらすことになるでしょう。

 『会社を守る』ということだけに注力するのは、いかがなものか。従業員の納得性を高め、公平性に気を配り、モラルの低下を防ぎ、モチベーションを維持するのが、就業規則です。

 当然のこととして、不良従業員を排除しますが、それは、会社を守るためというより、大多数の真面目な従業員を守るためです。